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「ご当地萌えキャラマスター」Komaの、愛と笑いのドタバタブログ

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ご当地キャラの光と影

『たまこまーけっと』と加茂川マコト、どうなる?出町商店街 −実在看板少女のさがしかた

僕には事の真相はわかりませんし、上の記事やそのリンク先を見ての意見でしかないのですが、
読んでいて痛切に思ったのは。

地域の活性化のために生まれ、街の人と一緒に育ってきたはずのキャラなのに、
なぜ芸能事務所のお家騒動のようなモメゴトを見ないといけないのかと

そう思うと、何だかすごく悲しくなりましたね。

ご当地キャラに揺れる商店街

要するに、出町商店街のマスコットとして加茂川マコトを使っている出町商店街と、その権利者である「ことまきプロジェクト」の間に何らかの摩擦が生じているようで。商店街のキャラではなく、ローカルアイドルとして売りたいプロジェクト側と、あくまで商店街のマスコットとして広めたい商店街側で、いろいろとあったのは見て取れます。

思えば過去には、ゆるキャラブームの先駆けとなったひこにゃんも、著作権をもつ作者と、彦根市や祭りの実行委員会に軋轢があったこともありました。権利者と使用者がいる以上、仕方ないのかも知れませんが、

そんな不和が公になって一番困るのは、そのマスコットを使ってる地元の人じゃないですか。
地元のためにならないことは、あんまり目だってほしくないなあ…というのが、正直な意見です。


しかも、そんな出町商店街が、アニメ「たまこまーけっと」の舞台として、今は各地から人が集まっているというのだから何とも皮肉なもの。


だからと言って商店街が加茂川マコトを捨て、アニメの舞台として宣伝してるかというと、記事を読む限り、そうは見えないですね。地味ながらも、今まで加茂川マコトと一緒に盛り上がってきた昔ながらの商店街。アニメの舞台になったからと言って鞍替えするのは、僕も得策ではないと思います。

萌えおこしの「光」と「影」

思えば、可愛らしいキャラを使って町おこししてる地方も、最近増えましたよね。でもよく見ると、キャラはすごく可愛いのに、どのグッズに描かれてるキャラも皆同じ仕草、同じ表情。同じ決めポーズ…。バリエーションに乏しいと思いませんか? あれも「著作者人格権」の関係上、しょうがないんだろうなあと思います。


有名なイラストレーターやアニメーターが、地元の特色を生かしたキャラを描き、そのキャラを使ってPRすることで街にファンが集まり、街が活性化する。それ自体は決して悪いことじゃないのですが、逆に街の自由を奪ってしまうこともあるんだろうなと、ひこにゃんの例を見てても思います。「萌えおこし」なんて言葉も最近よく耳にしますし、可愛いキャラやアニメの舞台として注目を集める地方は、今後も増えていくでしょう。


でも、街と権利者の間に生まれるのは、必ずしも良い関係ばかりではない。
どんなにキャラが可愛くても、人の目を引いたとしても、ビジネスはビジネス。
お金が絡む以上、そこに対立が生まれることも不思議なことではないんです。


可愛らしいキャラが見せてくれる「光」の向こうで、そんな「影」も確かに存在することを、この騒動は示してるように思います。

「萌えキャラ」に依存しない街

まあ…そうは言っても僕も街歩きも大好きだし、可愛いキャラも大好きな人間。どこかで新しいキャラが生まれれば、たぶん嬉々として出かけて行って、グッズのひとつでも買ってくるんだろうなあと思います。でも、それは街の活性化の一部の側面であって、それに依存しちゃいけないと思うんですね。上の記事でも言われてますが。

アニメや萌えキャラで町おこしをするよりも、商店街のそれぞれの店が一生懸命商売をしていき、
それと並行して、将来に対して考え、新しい動きをしていくことの方が大事だと思う。
幸い『たまこまーけっと』は商店街をテーマにしたアニメだ。
商店街で商売をする姿それ自体が、アニメファンにとっては魅力的に映っているはずなのだ。
そのままでいいと思う。

この言葉に、すごく大事なことが詰まっているように感じます。

アニメや可愛いキャラは人目を引くけど、やっぱり主役はそこに住む人たち。地元の人がアニメやキャラに興味を示し、来てくれる人を盛りあげようと必死になって迎えてくれる。そんな街の人たちの姿にこそ「萌える」んですよね。普段の生活の中で、アニメやキャラがちょっとしたスパイスになり、商売や仕事、生活をちょっとだけ変えていく。それがいいんじゃないですか。


アニメや可愛いキャラを軸にして、でもそれだけじゃなく、
住む人にとっても魅力的で、そんな人たちの姿がそこを訪れる人をも笑顔にしていく。
そんな街がひとつでも増えればいいなと、心から僕は思います。


ビジネスなんだから、もちろんそういう「影」はあるけど、影があるから光もある。地元の住民と製作者、そしてファンが、互いにその街を愛し、やれることをやっていれば、その姿こそが人を集めるんじゃないか。

出町商店街には、そういう愛せる要素が普段の生活の中に間違いなくあると、僕も思っています。

だから、出町商店街も何とかいい方向に向かってほしいなと、そう願ってやみません。
だから応援してるぞ! 加茂川マコト



参考)ひこにゃん事件って何で大騒ぎになったの?? 〜著作権人格権にまつわる話