人工知能と美少女パソコン
人工知能。
Wikipediaを見ますと、「コンピュータに人間と同様の知能を実現させようという試み、あるいはそのための一連の基礎技術」とあります。最近はコンピュータと人間が互角にチェスしてますし、人工知能の技術も着実に進歩してると思います。でもね。やっぱりコンピュータの知能部分の開発も大事ですけど、その知能を持つ外見にも気を使ってほしいんですよね。何が言いたいかと言うと、要するに美少女型パソコンを誰か作らないかなあということでして。
美少女型パソコンとは言わなくても、可愛いけど実はロボット、というキャラが登場するアニメや漫画って多いじゃないですか。僕も数人知ってますけど、やっぱり僕としては、これを語らないわけにはいきません。
「ちょびっツ」との出会いを。
「ちょびっツ」に萌えた理由
一応説明しておきますと、「ちょびっツ」とはCLAMP原作の漫画でして。ストーリーは、大学受験に失敗し浪人生となった主人公がある日、ヒト型パソコンである「ちぃ」を発見し、ちぃと一緒に暮らしながら、お互いに引かれていくという、まあよくある話ですね。ちなみに2002年にはアニメ化され、そのヒロイン・ちぃの声は田中理恵。その演技は「田中理恵ファーストインパクト」として、アニメとともに僕の人生に深く刻まれることとなった(ちなみにセカンドインパクトはその2年後、ローゼンメイデンの水銀燈によって起こされることとなった)。
何しろ起動させるためのスイッチが股間。さらに型番を調べるために胸をまさぐられる。納豆のネバネバを顔につける、などなど。当時、社会人一年生として初めて上京した僕にとっては、まさに衝撃的(原作はCLAMPですから、そんなに嫌らしさはないんですけど)。東京砂漠でオアシスを見つけたかのような感じでした。そして何より重要なのが、ヒロインのちぃはヒト型パソコンなんですが、起動した当初は物事を全然知らなくて、言葉も「ちぃ」としか喋れないんですよ。
この「ちぃ」としか言えないシチュエーションにどれだけ萌えたか。
嬉しさを表現するのも「ちぃ」。不思議さを表現するのも「ちぃ」。そういう設定ですから、もちろん台本も「ちぃ」としか書いてないと思うのですが、そこは声優・田中理恵。「ちぃ」の一言で、これ以上ないくらいの演技を見せてくれるんですよ。特にトボけたときの「ちぃ?」なんてもう可愛すぎて可愛すぎて、フローリングの上をゴロゴロ萌え転がってました(当時26歳)。
ところが、得てして蜜月というのは短いもの。3話ぐらいから、ちぃもいろいろと学び始めるようになりまして。カタコトながら言葉を話すようになり、感情をもつようになるんですね。この頃から、萌え転がってた僕のちぃ萌え熱も少し冷めてくるんですよ。それでも最終回まで見ましたが、何というか…ちぃが感情や知性をもつことで、普通の恋愛話っぽくなってしまったんですね。それは必然的な流れかも知れませんが、ちぃに振り回されてた最初の頃のほうが好きだったなあ…というのが正直な感想でした。
より人間らしい人工知能?
そう思うと、人工知能も良すぎないほうが、いいのかも知れませんね。
とはいえ、サイボーグが出てくるギャグ漫画でありがちな、力の入れ加減を間違えてパンチで遥か彼方まで吹っ飛ばすとか、そんな欠点はいらないのですが、完璧に物事をこなすことだけがいいとは思わないのですよ。ほんの少し欠点があるほうが人間らしくて愛らしいですし、それに同じ美少女でも、秘密やダメな部分があるほうがアニオタとしては萌えるじゃないですか。
例えば、冒頭で触れた人間とチェスするコンピュータにしても、単にコンピュータいじりながらオペレータが操作するんじゃなく、美少女型パソコンが自分でチェスの駒を置くほうが面白いじゃないですか。チェスの強さは大したことなくても、たまに可愛い声で
「あっ! ま…まちがえちゃった!」
「ああら。そんな手でワタクシに勝てるとでもお思い?」
「な、何よ! べ、別にアンタのためにやってるんじゃないんだからね!」
なんて言うほうがいいと思いませんか? 名人もコンピュータの愛らしさに、つい判断を誤るかも知れません。特にその声に釘宮理恵が採用された日には、勝てる人間はこの世にいないと思います。