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「ご当地萌えキャラマスター」Komaの、愛と笑いのドタバタブログ

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「温泉むすめ」は一過性で終わるか否か。

地方創生では一過性のブームを作らない。『温泉むすめ』仕掛け人の逆張りビジネス戦略 −PR Table

実を言うと「温泉むすめ」って、僕は好きじゃなかったです。

発足当時からネットでも話題にあがってましたし、温泉をモチーフにしたキャラは悪くないと思います。でも、有名な声優や可愛いキャラがじゃんじゃん乱立する様子ばかりが目立って、好きな人たちには受けるかも知れないけど、実際の温泉をなおざりにしてる印象があって、好きになれなかったんですよ。実在する温泉をモデルにするんだったら、アニメファンだけで盛り上がるんじゃなく、ちょっとは温泉に貢献して見せんかい!と、そんなことをずっと思ってました。


ところが今年10月、「温泉むすめ」のキャラ二人が有馬温泉観光協会公認の特別観光大使に就任。ようやくコラボの話を耳にするようになり、少しはやるかなと思ってたところに、目にしたのがこの記事でした。アニメ好きによるアニメファンの企画に過ぎないと思っていた「温泉むすめ」。その代表が、まさか地方創生に対して、ここまで明確な戦略とビジョンをもっていたとは。記事を読んで、目から鱗が落ちましたね。

「ある地方の商店街がアニメの舞台となり、客足が一時だけ増えてもすぐに寂しい景色へ逆戻りした……といった例をいくつも目にしていました。これでは地方創生と言いながら、コンテンツがその地域を利用しているだけになってしまう。

記事の中で僕が一番はっとさせられたのがこの一言。「聖地巡礼」も今はすっかりメジャーになり、アニメも実在する街をモチーフにし、町に若い人が訪れる。そんな話題を確かに耳にします。でも、アニメの放送中はよくても、線香花火の火が消えたかのように、あっという間に元の寂しい景色に戻ってしまう。活かせるチャンスを上手く活かし続けることができずに、結局は以前の閑散とした街に元通り。

「地方創生と言いながら、コンテンツがその地域を利用しているだけ」

その様子は、この一言が痛烈なほど表していると思います。


記事の中では温泉に焦点を当てた理由や、キャラをいっぱい登場させた理由も紹介されてます。盛り上がりを続けるためには、局地的なブームではなく、全国を網羅できる必要があること。温泉に着目したのも、日本各地にあって馴染みがあり、誰もが親しみをもってるものだから。キャラや声優をいっぱい登場させたのも、その地方の担当と他の数名のメンバーという、自由な体制を取るため。100人を超えるほど多くのキャラがいながら、キャラを担当する声優も原案イラストレーターでさえも全て分けているのは、一人でも多くの人を巻き込むため。

可愛いキャラがわーきゃー登場する裏で、地域に貢献するための戦略をしっかり練った上で動いてたんだと、改めて思わされましたね。

「コンテンツをアニメ化することで得られる、通称アニメ化ブーストは確かに魅力的です。ただし、ブーストとトレードオフとして、コンテンツの寿命が縮まり、一過性のブームで終焉する可能性が高まります。

読んでて衝撃的だったのが、アニメ化については時期をあえて先に置いていること。プロジェクトの関連商品を作りすぎないこと。普通ならアニメ化や関連グッズの話なんて、真っ先に飛びつきますよね。でも「温泉むすめ」は、そこにあえて距離を置いてるんですよ。というのも、爆発的な魅力よりも長期的に活かすことを大事にしてるからなんですね。

聖地巡礼」と言うと、ついつい僕らは華やかな爆発力にばかり目を奪われてしまいますが、地域創生は長期戦。一時的にドカンと当たっても、続かなければ結果的にマイナスになることも珍しくありません。だからこそ商品化のオファーを断ってでも、無理ない範囲で長く付き合えることを選んでるんですよ。そんな一過性のブームで終わらせないための徹底ぶりには、目を見張るものがありますね。


その戦略が今後どう出るかはわかりません。もしかしたら今のうちに取るもの取っといたほうがいいのかも知れません。でも「温泉むすめ」に関するプロジェクトのスタンスは嫌いじゃないし、好きじゃなかったはずなのに、今後はちょっと注目したくなりました。僕はイベントにも有馬温泉にもまだ行ってませんが、実際にイベントに通うフォロワーさん曰く、声優本人が「温泉地を盛り上げる」ことに並々ならぬ思い入れを持っているんだそうです。

その想いがどれほどのものなのか。その想いが各地の温泉に届くのかどうか。
僕もその様子をもう少し見ていたいと、読んでいてすごく感じました。