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「ご当地萌えキャラマスター」Komaの、愛と笑いのドタバタブログ

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消費者はいつも「気持ちよく」騙されたい。

「儲かる」っていう理由で始めたことより「面白いから」って始めたほうが売れる時代 −Experience Marketing Blog

ブックマークも多くついてますし、好意的な意見も多いエントリなのですが、実は僕、この意見には賛同できなかったんですね。というのも、儲けることを過小評価してるように思えたんですよ。確かに仕事を愛し、悦びを感じることはすごく大事ですし、野心を全面に出されると、買う方もお金を出したくなくなる。それはわかるんですけど、

お客さまのしあわせのために、売上が予算に達しなくても、いい。
会社の規模だって小さくしていってもいい。
そういう覚悟をもたなければ、これからの時代はますます売れなくなるのです。

そういうお金を軽視した考え方は、いつか破綻を来たすんじゃないかと思うんです。

「楽しい」と「儲かる」を同じ指標で考えちゃいけない

そもそも「楽しい」と「儲かる」を同じ指標で考えちゃいけないんですよ。もちろん仕事にプライドと愛情を持つことはいいことですし、それがお客さんの満足にも繋がることは決して否定しません。それでも、ビジネスは慈善事業じゃないんです。その対価に見合ったお金をもらわないと、新しいビジネスもできないし、人を雇うこともできません。


お客さんに美味しいと言ってもらえることが大好きなシェフは、貧しい人に料理を無償で提供してますか?
誰もが感動する凄いアニメの制作に携わってるアニメーターは、皆カスミを食べて生活してますか?
夜を徹して仕様書作成したりバグ直したりしてるエンジニアは、残業代がゼロでも毎晩笑顔で仕事してますか?

違うよね。

でもそれは、仕事に愛情を持ってないからじゃ、決してないよね


個人が趣味で何か始める程度であればいいですが、「楽しければそれでいい」という主義はビジネスでは絶対に禁句。お金を度外視した労働は、ブラック企業的な理念にも繋がりかねない危険な思想だと思います。サービスであれ商品であれ、お客様にお金を出して買って頂くのであれば、お金のことを考えるのは至極当然のこと。原価や人件費、売上、客単価…。どんなに楽しそうなことだとしても、それらを考慮して値段を上げるのも大事なこと。モノを売るために、採算を考えるのは決して悪いことではないと思うんです。

人はなぜ行列に並んでまでモノを買うのか?

とはいえ、野心を全面に出してモノを売っても消費者の財布は緩みません。でも儲けを無視するわけにもいきません。ならどうするか。

お客様のため、自分たちが楽しむためにビジネスをしているフリをする

酷い言い方かもしれませんが、これに尽きるんじゃないかと思います。


行列が絶えない店ってありますよね。ラーメンであったり、スイーツであったり、はたまた同人の即売会であったり。決して安くないものを手に入れるために何時間も並び、それでも買えずに悔しい思いして、次の機会にさらに早く並ぶ。でも、それって不思議ですよね。本当にお客さんのためになりたいと思うなら、完全受注生産してでも全員に行き渡るよう数を作るべきじゃないですか。でも、売る方はそうしない。なぜか。

手に入りにくくすることで、商品に価値を上乗せし、消費者の購買欲を煽るためですよね。
これってお客様のためでしょうか? 儲けたいから以外の何者でもないですよね。

でも僕は行列に並ぶお客を決して否定しませんし、並ばせる側を非難する気もありません。それに、お客さんはその商品にそこまでの価値を見出してるから、高くないお金でも喜んで出すんですよね。これこそビジネスにすごく大事なことだと思うんですよ。つまり、


いかにお客さんに喜んでお金を使ってもらうか。
もっと言うと、お客さんにお金のことをいかに忘れて楽しませるか。

ビジネスで大事なのは、そこなんじゃないかなと思うんです。


提供者は自分たちの商品やサービスで楽しませることに喜びを感じ、その楽しみに対して見合った対価を消費者は支払う。互いが常に対等の立場で楽しみを提供し、享受する。ビジネスの最たる理想ってそうだと思うんです。自分たちの利益は守りたい。でも自分たちは楽しみたいし、お客さんにも楽しんでもらいたい。だからこそ良き提供者は常に切磋琢磨して、利益を度外視しない程度で最高のものをお客さんに提供するんですよ。だから、そこにお金のやり取りが発生するのも当然のこと。次に繋げるために利益を出そうと知恵を絞るのも至極当たり前のことなんです。

消費者はいつも「気持ちよく」騙されたい

お金の話と言うと、どこか不浄なイメージがあるのか、仲良しの間柄でも大っぴらにしませんよね。お金は生活していくために誰もが必要なものだし、お金の対価として仕事してるはずなのに、仕事にお金の話を出すと、卑しいように思われがち。それで挙句の果てに、お客様の喜びがどうだ、笑顔や希望がどうだなどと、素敵な物語に無理矢理あてはめようとする。夢物語のほうが聞き心地はいいですが、この世界はファンタジーじゃないんです。人間が生きるために、お金は避けて通れません。誰しもがお金を得るためには、儲けを出さないといけないんです。

なのに、個人の趣味ならともかく、ビジネスでお金を軽視する思想や方針は、いいものとは思えません。
儲けるための戦略や損を出さないための計画を、悪いもののように捉える考えには、同意できません。

上のリンク記事を読んで、僕が痛切に感じたのは、そのことでした。


僕も日々受けてるサービスが慈善事業だなんて思ってませんし、この年になってもつい無駄使いしてしまう時もあります。アニメや可愛いキャラが好きなせいもあって、ちょっとイラストが描かれただけのクリアファイルに高いお金出すことも、大して見もしない同人誌を買ってしまうことだってあります。でも僕は、だからといって売る方に対して悪い感情は決してもってません。変な言い方かもしれませんが、


消費者はいつも「気持ちよく」騙されたいんです
だから長い行列に並んだり、無駄とわかっても高いお金出したりするんです。


どんなに花形の職業だって、ボランティアじゃありません。そこには決して少額ではないお金の流れがあり、皆お金をもらって仕事してるんです。公然にはできないかも知れませんが、お金をタブーとし、ひた隠しにしようとする風潮はあまり良くないことだと思います。それに、こういったお金の話を、子供にも大人がしっかり教える必要もあると思います。だから皆さんももっと気さくに

お金の話、しませんか?