K's Station

「ご当地萌えキャラマスター」Komaの、愛と笑いのドタバタブログ

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街おこしに躍起になってる人々へ

直言曲言:「私が田舎を嫌いなのは寂れてるからじゃなくて… /鳥取 −毎日jp

新聞の社説っぽい数行の内容ですが、見ていてすごく胸に突き刺さるものがありました。

「私が田舎を嫌いなのは、寂れてるからじゃなくて、寂れてることを気にしてるからなの」


僕は「あまちゃん」は見ていないので、どういう状況で言った台詞なのかはわかりませんが、記事で引用されている春子の言葉は、街おこしに対して実に正鵠を得た発言だと思うんですよ。僕は鉄道旅行やアニメが好きなこともあり、キャラやアニメを利用した街おこしにも興味あるんですが、実際に足を運んだり記事を見たりしていて僕が思うのは、成功してるところと失敗してるところの格差が広がってるんじゃないかってことなんです。


有名なゆるキャラを使ったPRやアニメの舞台探訪を後押しする自治体は、各地にいろいろありますが、本当に成功してるところは、まだごくわずか。キャラで言えば熊本や今治。舞台探訪で言えば大洗や鷲宮、上田あたりでしょうか。他も頑張ってるのはわかりますけど、見ていて二番三番煎じ感があるのは否めません。

今はゆるキャラが流行ってるんだって? よし! うちもゆるキャラ作ってPRするぞ!
舞台探訪で若者が集まってるのか。うちもアニメの舞台として積極的にやっていくぞ!

そんな感じで流行に乗っただけのところも多いと思います。それでも少しは話題になるものの、気が付けば元どおり、さらに人が離れてしまった自治体もあるんじゃないでしょうか。


成功事例が派手に取り上げられ、注目されるだけに、真似したい気持ちはわかります。でも、それで地元に住む人の心が離れてしまっては何にもなりません。考えてみれば、日本には観光地も名産地もいっぱいあるじゃないですか。無から何かを生み出さなくても、各地には誇れるものがまだまだあると思ってますよ。


僕は以前、街おこしに大切なのは、新たなものを作るんじゃなく、今あるものを徹底的に利用することだと書きました。その考えは今も変わっていませんし、成功してるところは今ある資源をPRするのが上手で、地元の人はもちろん、観光客の行きたくなる気持ちを正確に掴んでるんですよ。逆に失敗してるところは観光に力を注ぐのはいいんですが、力を入れるべきところが、地元の人や観光客の視点からズレてるように思うんですね。


寂れてる街を活性化したい気持ちは大切ですが、それは本当に地元の人にとってプラスになるだろうか。
それは今本当に尽力すべきところであり、単にどこかの真似がしたいだけではないだろうか。


ゆるキャラや舞台探訪の成功例を見て、我も我もとがっつく前に、一度振り返ってもいいかも知れません。

「そんなに卑屈にならなくていいんじゃない。地元の人が愛すれば、外から来た人間にはよく見えるものよ」


この一言は本当にそうですよね。たとえ目立たなくても、地元に愛されてる街だってあると思うんです。


言ってしまえば街の観光資源や予算を考えた結果、観光には力を入れないと言う選択肢だってありだと思うんです。そのぶん福祉であり、教育であり、街に暮らす人の暮らしが良くなるところに尽力するのであれば、街として大きな意味があると思いますし、その魅力にひかれて、人は集まってくるはずなんです。また、ちょっとした娯楽施設があったり、専門店が駅の近くにあったり。ほんのささいなことでも居心地の良さって生まれると思うんです。


大切なのは、派手に注目を集めることではなく、自然と人が集まってくるような街になること。
そこを履き違えると、街おこしも観光振興もいい結果は生まれません。


ゆるキャラや舞台探訪も、今は注目を集めてますが、一定の人の流れを作り続けられるかというと難しい面もあると思います。特に舞台探訪は、作品のファンであれば行きますが、集客力は作品の魅力やファンの数に比例するところもあります。ファン以外の人にとっては魅力には映らないかも知れませんし、ファンであってもそこに住んでみたいかと言われると、YESと言う人は少ないんじゃないでしょうか。


僕らはつい成功者の華々しさに引かれて、あまり深く考えずに同じことを真似しそうになります。それは悪いことではありませんが、その方法が合わないのであれば別の選択肢に乗り換えるのも必要だと思います。街おこしであれば、本来の目的は地元の人に愛される街づくりのはず。街が地元の人に愛されることで、それを見た他の人が集まり、地元を愛する人が増えていく。そういういいスパイラルを生み出すことが、真の姿だと思いますよ。




と、思いつくことをつらつら書いてみました。実際に街おこしで活動してるわけでもないし、単に記事を見たりたまに足を運んだりするだけの人間が偉そうなことも言ってしまいましたが、何か思うところがあれば幸いです。


というのも、この記事が、つい最近行った場所でもあり、
「まんが博」が過去さんざん叩かれた鳥取県の記事であるいうところにも、
ほっとけなくて、ついこうして記事を書きたくなってしまう要因があるんですよ。


でも、こういう意見が出るということは、ちゃんと地元を見続け、愛している人がいるということ。
だからまだまだ鳥取は捨てたものじゃないし、元気になるチャンスは必ずあると思ってます。

K's Stationは今後も、日本の街おこしを(陰からこそっと)応援し続けます!


参考) 観光地のスター・システム(2013年5月6日) −儚雪の空