K's Station

「ご当地萌えキャラマスター」Komaの、愛と笑いのドタバタブログ

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ボケられない時代 〜『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』

先日、確定拠出年金のことで母といろいろ話しました。


企業年金がこう変わるから、最初は定期預金にどれくらい入れて、
今後こうしたらいいかな…などと話してたんですが、
母が最後に笑ってこんなことを言ったんですよ。


これからますますボケられなくなるよ」と。


僕の母は、まだおばあちゃんという年齢ではないんですが、
それでも年をとると、お金のことを含め、考えなきゃいけないことが
どんどん増えるからね、と言われました。


確定拠出年金も、母の会社員時代にはなかった制度。
今までは当たり前だと思ってたことも、時代とともに
日々新しい仕組み、新しい設備、新しい基盤へと変わっていく。
そして、それに否応でも対応しなきゃいけない。


そのためには、年取ったから、数字は苦手だからと
ボケてるヒマなんてありません。
年を取れば取るほど、脳の働きは鈍ってくるのに、
頭を使う機会はどんどん増えてくる。
何とも大変な時代になったものです。

  • 大切なのは数字のセンスだ!

僕もわりとお金にはキッチリしてるようで、
会計などの数字のセンスには、あまり自信がありません。
数学得意でバリバリの理系だったからと言って、数字に強いわけじゃない。
逆に数学苦手で文系に進んだからと言って、数字に弱いわけじゃない。
生きていくのに大事なのは、数字のセンス。
そして年を重ねるごとに、数字を真の意味を見抜く力が重要になる。


「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 禁じられた数字〈下〉 (光文社新書)、という本を読んでますが、
この本は、そんな数字のセンスが随所に見られる本。
上巻では、単位の変換などで見えてくる使うべき数字、
そしてこの下巻では、禁じられた数字について紹介されてます。


禁じられた数字とは、相手を自分の望むほうに仕向けるための数字。
数字というのは、普遍的なものである分、それだけで大きな意味を持つ。
それだけに数字を出されれば、それが根拠のないものでも信じたくなる。


だからといって、別にこの本は警鐘をならしているわけではなく、
こういうこともありますよ、と初心者に対しても
わかりやすい例をあげて説明してくれる。
それでいて、難しいところはしっかりポイントを絞り、
面白いエピソードも交え、数字に対する考え方のヒントを教えてくれる。
まるで、よくわかる先生の講義を聞くかのような、そんな本になっています。

  • …なあんて大間違い?

しかし、この本の凄いところはそこではなく、
タイトルにもあるように、最後に上巻を真っ向から否定するところ。
最後まで読んで、僕も「やられた…!」と思いました。
それと同時に、なぜ出版社とモメにモメながらも、
著者がこのタイトルに拘り続けた理由がわかりました。
その理由はあまり詳しく書きませんが、
「会計は世界の1/2しか語れない」という言葉が
すべてを物語ってるように思います。


先の見通しも立たないのに、変化に対応していかなきゃいけない。
大変なことになったなあ、と先ほど僕も書きました。
確定拠出年金なんて、まさにそんな変化の最たる例の一つ。
先日も母もよくわからないと言いながら、いろいろ話しました。


この「いろいろ話す」という経験が、いつか活きてくるんじゃないかと
この本を読んでふと思いました。


年を取ると、何かと数字が煩わしくなりますが、
その数字の持つ意味は大きくなって自分に跳ね返ってきます。
数字のセンスが何かもわからないのに、
煽り文句に紛れて、大事な数字が飛び交う厄介な時代。


そんなボケられない時代を生きる、
ほんの些細なヒントが、この本にはあると思います。