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「ご当地萌えキャラマスター」Komaの、愛と笑いのドタバタブログ

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ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!

ギャルゲーの世界に住んでみたい

ここをご覧の皆さんであれば、そんなことを一度や二度や三度や四度や五度や六度は考えたことかと思いますが、実際にそんなラノベがあるらしいんですよ。その名も「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!」。

「世界よ、ようこそ」と自ら呼びかけてることや、「ギャルゲヱ」と銘打つあたり、すでにオタクモード全開なのですが、そのストーリーは、主人公に届いた一通のメールに回答したことで、ゲーム中のヒロインが現実世界に現れるというもの。いないはずの幼馴染みや、ゲーム中の存在だった学園のアイドルの登場に、驚きながらも喜び、すっかりその世界を受け入れる主人公。しかもストーリーも、ゲームの世界を忠実に再現。全ての選択肢を記憶するまでやりこんだ主人公が、記憶をもとに選択肢を選ぶと、本当にゲーム通りの展開になるんですね。

それだけならただの妄想小説なのですが、この本が面白いのは、現実とゲーム上の展開に徐々に歪みが生じ始めるんですよ。ヒロインが死ぬのだけは避けねばと、その子のルートを選んだはずなのに、他の子のフラグが進行し始めたり。ゲームにはなかったはずのクラスメイトからのイジメにあったり。自分の骨髄を移植すれば助かる設定なのに、実際は未成年だから移植ができなかったり。ヒロイン達を襲う不幸を止められずに悔やみ続ける主人公。果たして主人公は、絶望的な状況からゲーム通りにトゥルーエンドを迎えられるのか?!

と、そんな内容を聞きつけまして。これはぜひ読んでみたいと思ったわけですよ。


で、読んだ結果。


何かさあ…思ったような天国から地獄への転落もないし、何より全体的に話が暗い


確かにギャルゲーの世界が現実になるんですけど、だからと言って「ハーレムだぜ!イヤッッホォオォオウ!」と、福山潤が声当てたらめちゃめちゃ似合いそうな、テンション高めの男が主人公なのかと思いきや、戸惑いはあるものの意外と冷静に、シナリオ通りの選択肢を選んでいくんですね。しかも、幼馴染みが窓からやってきたりとか、突然現れる義理の姉妹とか、学園のアイドルといちゃつくとか、そんなお約束は最初だけ。その後は、どんどん暗いストーリーに突入していきます。

そもそも、主人公が反映させたギャルゲーのストーリー自体が暗いんですよ。どの子も物語を進めるうえで大きな困難があって、それを見事克服してハッピーエンドがあるそうなんですが。

一人は両親の離婚に心を痛め、攻略に失敗すると転校。
一人は予選前に大怪我をして、選手生命の危機に。
一人は親友達と大喧嘩し、軽い登校拒否状態に。
一人はよくわからない病気で、この子のルートを選ばない限りは死ぬ。

しかも現実では、さらにその子が悪質なイジメにあったりするんですよ。現実っぽいと言えばそうなのですが、なあんかさあ…ギャルゲーにまでそんな鬱な展開もってくるなよと思うのは僕だけでしょうか。


でも、そんなストーリー中盤の暗さとは裏腹に、このオチには爆笑できました

「ここまで引っ張ってきた感動とか成長は何やってん!」とツッコミたくなること確実。このオチには賛否両論あるでしょうが、どちらにしても、主人公はギャルゲー無しでは生きていけないだろうなとは思います。



そもそも、僕はゲームしないのでわからないんですが、ギャルゲーって、主人公が誰かを選んだら、選ばれなかった子は不幸になるものなんでしょうか。それって何かクリアしたとしてもいたたまれない気分が残りそうなんですけど、そういうもんなんでしょうか。なんてことを友人に言うと、僕の考えが甘いのか、あっさりこう言われてしまいました。

「割り切れよ、でないと死ぬぞ」(by ハイネ・ヴェステンフルス

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)

ギャルゲヱの世界よ、ようこそ! (ファミ通文庫)