岡田斗志夫の「オタクはすでに死んでいる」を読みました。
ネットではあまり評判良くないようですが、僕は全然悪くないと思いましたね。
僕は90年代の前半、最悪だったオタクのイメージが少しづつ回復しつつあった頃からのオタク、この本で言う第2世代のオタなので、確かに今の世代のオタクが何か違うなあというのはやっぱり感じるんですよ。僕らの世代って、何だかんだ言ってもオタクに対する劣等感のようなものをどこかで持ちながら折り合いをつけてるように思うんですが、最近のオタクは、いい意味でも悪い意味でも「オタク」というものが十分認知されているので、特に劣等感を感じることなく自分が「僕ってオタクかも」と思っても平然と受け入れられる。
それに、興味のあるごく狭い分野に特化していて、他の分野に興味をもたなくなったというのも一理あると思います。ネットやら何やらで情報はすぐ手に入るようになったし、同じような興味を持つ人ともすぐに仲間になれるようになった。少し背伸びして手を広げなくても、労せずして仲間や情報が手に入るので、そこで満足してしまうんですね。
「死んだ」というのは確かに大げさで、「変わった」という意味ぐらいに捉えておけばそう間違ったことは言ってないと思いますし、悪い本ではないと思います。
ただ、この本の悪い点は、「オタク」の存在を良いものに捉えすぎてる感がどうしてもしてしまうこと。
そもそもオタクってそんなに凄い人たちだったんでしょうか。
年寄りが若い人に対して「ワシの若いころはこうだったのに、今どきの若いもんは…」と言ってるようなところがどうしても鼻につくんですよ。そう言いたくなるのもわからなくはないんですけど、そこまで昔を良いように言わなくてもいいんじゃないかなあ、と感じてしまった点がマイナスですかね。
でも全体的に悪くはないと思うので、読んでも損はないと思います。
- 作者: 岡田斗司夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/04/15
- メディア: 新書
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