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「ご当地萌えキャラマスター」Komaの、愛と笑いのドタバタブログ

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巨匠・筒井康隆の衝撃のラノベ、「ビアンカ・オーバースタディ」

筒井康隆、77にしてライトノベルデビュー! その名も「ビアンカ・オーバースタディ」。

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

ビアンカ・オーバースタディ (星海社FICTIONS)

筒井康隆と言えば「時をかける少女」の原作者。オビにも「それは、2010年代の『時をかける少女』」。表紙には試験管片手にウインクする美少女。そのイラスト、いとうのいぢ。これはさぞ可愛らしい女の子達が奏でる素敵なSFの物語かと思うじゃないですか。

そんな幻想は目次のページを開いた瞬間にふっとびますよ

(※ 以降、かなりのネタバレを含みます)



第一章・哀しみのスペルマ。第二章・歓びのスペルマ。第三章・怒りのスペルマ。この調子で五章まで続きます。表紙でビアンカがうっとり眺めてる試験管の中身も、謎の液体みたいですが実は精液です。「時をかける少女」も2010年に入ると、ラベンダーが精液の匂いに変わるんですね!


主人公・ビアンカ北町は高校一可愛いと謳われる美少女。そのビアンカは部員二人の生物研究部に所属し、そのビアンカのことが好きな文芸部の美少年・哲也。このへん妙にラノベっぽいのですが、凄いのはビアンカがしている実験。どうも生物の生殖活動に興味があるらしく、実験で普段使うウニでは飽き足らず、人間の生殖の仕組みが見れないものかと悩み始めます。そしてある日、部室の前にいる哲也にこう声をかけるんですね。

「研究材料にあなたの精子が欲しいの」

さすがに断る哲也も、学校一の美少女が手伝うとなればそこは高校生男子。抗う術もなく精子を提供してしまうわけです。そこに学校一美しいと言われる耀子や、ビアンカの妹・ロッサが登場するんですから、精子の提供には全く事欠きません。さらには「パンティ見せてやると、早くいくみたいだよ」と、ビアンカによる指導もあり。しかもそこは筒井康隆。抜く時の描写も実に見事。「ビアンカ様。AH!」と声をあげながら射精するシーンなんてもう最高ですよ!


…って、何のエロ小説やねんコレ。


もちろんそれには理由がありまして。実はもう一人の生物研究部の部員は何と未来人。未来では環境汚染などにより人類が衰退し、絶滅すら叫ばれてるんですね。そこで巨大なカマキリが異常発生し、甚大な被害が出てると。そこで、この世界に存在するツノガエルと人類を掛け合わせて、巨大カマキリを食べる蛙を生み出すことを考えたんですよ。そこで哲也や生物研究部の先生などの強力な精子の提供が必要だと、そういう理由なんですね。

そこからは一気にSFの要素満載。未来を行き来する乗り物で未来に行ったり。ビアンカが巨大蛙に指示出したり。未来の研究員が眠らせたロッサをオカズにマスターベーションしてたりと、話もSFになっていくんですよ。とはいえジャンルとしてはラノベなので、頻繁にいとうのいぢの挿絵もあるんですね。ビアンカとロッサの2ショットとか、仲良く顕微鏡で精子を見るシーンとか、睾丸を包んだ血まみれの新聞を持って耀子が部室に駆け込んでくるシーンとか。


いいですか。睾丸を包んだ血まみれの新聞を持って耀子が部室に駆け込んでくるシーンですよ。それをいとうのいぢが描いてるんですよ。あの涼宮ハルヒ」で超有名ないとうのいぢですよ。それが睾丸包んだ血まみれの新聞持ってる少女ですよ。繰り返しますよ、あのいとう………あ、しつこいですか。



と、いろいろネタには事欠かない小説ですが、貶してるわけでは全くなく、すごく面白いです。よくあるラノベの展開なのに、そこに筒井節でエロやSFをじゃんじゃん入れてくるもんだから、あっと言う間に話に引き込まれるんですね。興味を持たれた方は、ぜひ買って読んでみてほしいです。

そしていつかはしてほしいですよねー。アニメ化

そしたらビアンカやロッサを竹達彩奈様や花澤香菜様が演じてくれるわけですよ。あの声で「あなたの精子が欲しいの」なんて言われた日にゃあ、全国の声オタはじゃんじゃん提供しますよね。あっ、ビアンカ様。あの。それはもう。こんなことが。とても我慢なんて。ビアンカ様。もう。

ビアンカ様。AH!!