K's Station

「ご当地萌えキャラマスター」Komaの、愛と笑いのドタバタブログ

町のキャラに「声」は必要か否か?

京町セイカを現実世界へ〜新たな力をください〜 −GREEN FOUNDING Lab.

僕が支援をためらっていた理由

京都府精華町の広報キャラ・京町セイカのボイスロイドと衣装をクラウドファウンディングで呼びかけるというこの企画。自治体のクラウドファウンディングなので、支援は全て精華町への「ふるさと納税」という形になるそうで。内容が斬新なこともあり、ねとらぼや個人ニュースサイト、地元の新聞にも取り上げられ、知ってる人も多いと思います。

この企画、実は発足当時から知ってました。目標額を早々に達成したことも知ってますし、以降も支援額がどんどん増え続け、その活動が新聞に紹介されるのも見てきました。僕も京町セイカは以前から知ってる思い入れのあるキャラですし、普段ならブログで紹介してるところですが、この活動については、プロジェクトが終了するまであえて紹介しませんでした。というのも、この活動を支援するか否か、僕の中でずっと揺らいでたからなんですね。

一人のファンとしては、もちろん声があったほうが魅力的ですし、声優にも異論はありません。批判的な意見も見かけませんでしたから、企画としては大成功だと思います。ただ、どうしてもクラウドファウンディング、しかも「ふるさと納税」で町の広報キャラに声を当てるということに、煮え切らない気持ちがあったんですね。


広報キャラのボイスロイドを作ることが、本当に町の支援になる、
ひいては町で暮らす人のためになる、と胸張って言えるだろうか。
単に声優さんや可愛いキャラが好きなファンを喜ばせるためだけの活動にとどまってるんじゃないだろうか。


サイトには「未来につながる投資を」というセンテンツもあり、そこには、ふるさと納税を使って応援したい人たちの想いを大切にしたい。セイカを通して精華町のシティプロモーション展開のために未来につながる投資を使いたいということが記載されています。その意見には僕も賛成なのですが、それでも、この活動が本当に町のためになるかと言われると、やっぱり頷けませんでした。最近のふるさと納税の過熱ぶりは、その制度自体を安くておいしい物を送ってもらうだけの制度にしてしまったのかも知れません。でも、他府県の人が地元の名産品を美味しいと思って食べてもらえるなら、そのほうがボイスロイドを作るよりも、ずっと町のためになってるのではないか。そう思っていました。


僕が支援することに決めた理由

でも、いろいろ考えてるうちに意見も少し変わってきました。
ボイスロイドという手段が適切かはさておき、声をもつことによって、町民に還元する方法もあるんじゃないかと。


広報キャラに声があることで、PRのVTRもより魅力的になりますし、広報としての活動範囲も広がるでしょう。それに、有名な声優を起用することによるファンへのPR効果も大きいと思います。でも、それ以上にもっと大きな使い道があると思ったんです。

たとえば視力の弱い方に向けた音声の読み上げサービス、公共施設の音声ガイダンス、音声サポート。
そういった方面への活用も視野に入れれば、声をもつことの意味は大きく広がるんじゃないかと。


今回のクラウドファウンディングに向け、町の活動についても少し目を通しました。精華町が掲げる地域創生戦略のプログラムとして「誘客拡大に向けた情報発信の強化」を一つに掲げていること。その中でも「ICTや広報キャラクターを活用した人にやさしい情報の発信」を目指していること。そして「シティプロモーション」を政策の大きな柱にしていること。などなど。目を通していて僕が感じたのは、

この京町セイカというキャラが単にブームにのったキャラでなく、明確なビジョンと指針を持って生まれたということ。

ただ、そこまでしっかりした理念を持って活動されてるのであれば、クラウドファウンディングでもそこを明確にしてほしかったですね。未来から来たとか、そういう設定も不要ではないですが、そうした街としての意思や将来への展望もわかるようにしてもらえば、もう少し良かったんじゃないかと思います。


しかも精華町は、大阪や京都への交通の便が恵まれてることもあり、転入者が転出者を毎年上回っていて、比較的若い世代が多い町なんですよ。それに何といっても「関西文化学術研究都市」の中心地区(京町セイカがちょっとサイバーな感じがするのも、このあたりの特徴を踏まえてるんじゃないかと)。教育文化施設や研究施設が立ち並び、都市景観100選にも選出された場所。単に僕の憶測に過ぎませんが、あまり昔からの伝統やしきたりに縛られることなく、新しいものを積極的に取り入れる土壌もあるように感じたんですね。


そんなことをいろいろ考えた結果、しっかりした理念とディレクションをもって活動してくれそうだし、
活動を受け入れられる基盤もありそう。
支援することで町のために使ってもらえるのならと、ささやかながら僕も、支援することに決めました。


これからの「京町セイカ」に望むこと

結果的に400万円以上の支援を100人以上から集め、当初の目標額をはるかに超えましたから、企画自体は申し分ない成功と言っていいでしょう。でも、本当の苦労はこれから。クラウドファウンディングで町のキャラのボイスロイドを作るという、前代未聞なことをやってのけたのですから、注目も今まで以上ですし、その責任も重大です。それに今は、自治体の活動に対する視線もすごく厳しくなってます。何かあればすぐネットで叩かれ、ワイドショーにも取り上げられてしまう時代。誰に対して何をアピールし、その活動を通じて今後何に繋げるのか。今まで以上に明確なビジョンとキャラを背負っていく覚悟が問われると思います。


それに決まった以上、今後の活動が僕も素直に楽しみですし。可愛い声やダンスでのPRなども今後出てくるのかなと思います。でも、好きでいてくれるファンを喜ばせ、アピールすることも大事ですが、やっぱり自治体を代表する広報キャラであれば、

その町で暮らす町民の皆さんの声に耳を傾け、目を向けることだけは絶対に忘れずにいてほしいですね。


なので、ボイスロイドの件も、町民をアシストするサービスとしての機能も検討してほしいなと思います。ボイスロイドと聞いて、単に可愛いおしゃべりやダンスの映像作るしか思い浮かばなかった自分の視野の狭さも情けない限りなのですが、自由に声がつけられることによる魅力は、ファンを喜ばせることだけでは決してないはず。自治体を代表するキャラとして、今以上にファンに愛され、町民にも愛されるキャラになることを、僕も心から期待しています。


参考) 京都)京町セイカ「リアル化」計画 寄付、目標の2倍に −朝日新聞